みんな知っている「ぐりとぐら」
きっと子どもが最初に出会う、料理の本、なのではないでしょうか。。
森のなかにおなべを担いでいった作った、大きなたまごでつくるカステラ!
いつのまにか、自分も森の中で、カステラの周りに集まる動物の一員のような気持ちになって…。
いまでも、本の中から、バターの香ばしい香りが漂ってくるような、
幸福を感じます…。
次は「ゼラルダと人喰い鬼」。
大人向け絵本でも有名な、トミー・ウンゲラーの隠れた名作。
人間の子供しか食べなかった人喰い鬼に、
「もう人間のこどもは食べない!」と改心を決意させるほどのゼラルダちゃんの作る料理とは!
なにより料理のネーミングが…最高なんです!
ポンパーノ・サラ・ベルンハルトにチョコレート・ソース・ラスプーチン!
名前を聞いているだけで、もううっとりです。
人喰いなんてグロテスク、というなかれ。
美味しいものは、人の心を幸福にする。
それは奇妙なもの、影あるもの、人間の子どもとのあいだに、
何の差別も、区別もなく。
ダークな中に、クスリとさせる作風は健在。
トミー・ウンゲラーらしい作品です。
そして、極めつけ!
この映画は、これまで私の観た映画の中でベスト3に入れたいほど、好きな映画です。
「バベットの晩餐会」
贅沢が悪、だと考え、質素な暮らしを旨とする、
寒々しいデンマークの小さな島に暮らす人々。
そして、あるとき疲れきってこの島へやってきた、過去を語らない女性バベット。
ある晩、村人に供された、見たことも食べたこともないバベットの創り出す料理。
かたくなな村人たちの心を解きほぐしていきます。
どんなに料理がまずくとも、また美味しくとも、
一切何も言わない!と固く決めた村人たちだったのに…
バベットの料理は、喧嘩していた人々には和解を、顔には笑顔をもたらし、
口からはいつの間にか笑いがもれ、いつもは気づきもしなかった、空の星々の美しさを発見する…。
言葉よりも雄弁さをもって、人の心が饒舌に語り出します。
新の芸術は、言葉よりも先に、人のこころを幸福と豊かさで満たすもの。
その様子が、驚きとともに彼らの表情を輝かせます。
そして、この料理の準備のためにすべての財産を使い果たし、
自分の持てる力をすべて出し切った料理人バベット。
また貴女は貧しくなってしまったと嘆く、牧師館の姉妹に対してバベットは言います。
「貧しい芸術家はいないのです」
人の心を豊かにしたり、勇気づけたり、
生きる力を与えることができるのが芸術の持つ力だとしたら、
それを生み出す芸術家にとって、
自分の持てる力を最大限に発揮する事こそが生きる意味であり、
何にも増して、真に心が満たされる瞬間なのだと教わりました。
そして、持てる力を与える事ができず死んでいく事がどんなに貧しいことか。
一回の料理が、人の人生も変えることもあるということ。
地味だけど、素晴らしい映画です。
本でも楽しむことができますよ! ↓
食べることが好きな人も、
料理をつくることが好きな人も、
きっと楽しむことができると思います。
美味しい話、
とってもおすすめです。
Mamiko
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